ミナミマグロ(SBT)に関する最新の資源評価の詳細(最新の漁業指標を含む)は、CCSBT第27回科学委員会会合報告書をご参照ください。
- 第27回科学委員会会合報告書(2.2 MB)
また、ミナミマグロの生物学、資源状況、管理に関する報告書は、以下のリンクをご参照ください。
- 第27回科学委員会会合報告書別紙7(0.6 MB)
次回の全面的なミナミマグロ資源評価は2023年に予定されています。
最新の資源評価の概要
第25回科学委員会会合では、2020年に実施した全面的な資源評価の結果について以下のとおり留意しました。
- 相対的な再生産出力(TRO)として表現される資源量は、初期産卵親魚資源量(TRO0)の20%(80%確率区間:16-24%)と推定されている。
- SBT資源量は、最大持続生産量(MSY)を生産する資源量推定値の水準を下回っている。
- 相対TROがTRO0の13%(80%確率区間:11-17%)と推定された前回(2017年)の資源評価以降、資源状況は改善している。
- 漁獲死亡率は、MSYを与える水準を下回っている。
- SBT資源は、2009年に低い水準を記録して以降、毎年、約5%の割合で資源の再建が進んでいる。
また2020年の資源評価では、資源量が初期TROの10%という低水準となった2009年以降、資源が増加してきたことも示唆しました。
漁業指標の概要
2022年の拡大科学委員会による漁業指標のレビューの結果は以下の総括のとおりです。
- 昨年との比較では、漁業指標は様々な兆候(一部は増加、一部は減少、その他は変化なし)を示しましたが、異常な兆候又は懸念すべき理由を示唆するものは何ら確認されませんでした。全体として、各指標の長期的なトレンドは、資源の継続的な増加が見込まれることを示唆した直近の資源評価結果と一貫しています。
- 曳縄調査から2つの1歳魚資源量指数が作成されました。TRG加入量指数は2016年から2021年までのコホートで低水準となっており、またTRP加入量指数は2022年の指数は増加したものの2018年及び2019年においてゼロを記録したことから、近年の加入量が低かった可能性についていくらかの懸念が示唆されています。
- 計算が行われた最近年(2018年)の親子ペアの検出率は低下しましたが、このことは個体群の規模が増加していることと一貫しています。
- 遺伝子標識放流による2019年の2歳魚資源量の推定値は、2017年及び2018年の推定値より増加しています(COVID-19の影響により、今年は2020年に関する推定値が利用可能となりませんでした)。
- 2021年の4歳以上のSBTにかかる日本はえ縄ノミナルCPUEは増加し、10年平均を上回りました。対照的に、4歳以上のSBTにかかる新たな日本標準化CPUEシリーズ(GAM)はやや減少しました。いずれのシリーズも、2007年以降は増加傾向を示しています。
- ニュージーランド国内はえ縄漁業の標準化CPUE(全年齢)は増加しました。
- 統計海区8及び9における韓国の標準化CPUE(全年齢)は、2000年代中頃から増加傾向を示しています。
- 台湾の標準化CPUE(全年齢)については、過去と類似したトレンドを示しており、2021年の最新データでは両海域(中東部及び西部海域)において増加しました。
CCSBT管理方式の実施に関する年次レビュー
資源又は漁業指標、管理方式入力データ、個体群動態、漁業又は漁業操業、及びケープタウン方式(CTP)のパフォーマンスに対する新CPUEシリーズの取込みにかかるOMMP会合からの助言に関するレビューの結果を踏まえ、拡大科学委員会は以下に合意しました。
- 2023年のTACを修正する必要はないこと
- CTPは、2024-2026年のTAC勧告のために使用できること
- インドネシアの漁獲物と生物学的モニタリングプログラムの今後の運用を統合し、CDSと漁獲物モニタリングプログラムの間の体長頻度分布に関する現行の不確実性の解決し、また近年における統計海区1と海区2との間の船団の操業のシフトとそのことが資源評価に及ぼす潜在的影響にかかるより詳細な評価に取り組む必要があること
拡大科学委員会は、2023年の全世界のTACを17,647トンに維持することを勧告しました。また拡大科学委員会は、CTPを運用した結果として、2024-2026年の各年における全世界のTACを20,647トンとすることを勧告しました。